「千夏…。
ちょっと…お疲れなんじゃない?
 辞められないなら少し有給とってロンドン行ってきなよ!」


 その様子に私は…千夏の事が心配になって切り出した。


 「そう…いうけどさあ…(汗)」


 「会社の生け贄になるために…入社した訳じゃないんだしさ!
 部下にも昇進のチャンス与えたら代わりも見つかるんじゃない?」


 壊れてしまいそうな千夏に居たたまれなくなりいい放った。

 千夏は…何か言おうと口を開いたけど言葉を飲み込みようやく笑顔を浮かべた。


 「まあ…休みくらいとらせてくれないとね…。
 ありがとう…。成美!」


 「そうそう!
 どうせなら彼に抜き打ちでロンドンに行っちゃえば?
 …サプライズで驚くかもよ…(笑)
 よーし…千夏ちゃんの前途を祝し乾杯☆」


 カクテルのグラスを無理矢理千夏のグレープフルーツジュースの入ったグラスに押し当てて微笑んだ…。

 千夏も何かが吹っ切れたのか今度は店員さんを呼びジュースとおつまみを追加注文していたので私もついでにカクテルを注文し改めてグラスを重ねて乾杯を交わした。