やがて…夜半の月の光が部屋に差し込み私達を包むころ顔を離し二人とも抱き合った。
「そろそろ送らなきゃ…。
このまま帰したくはないけど…。」
「うん…。」
宗大の言葉に私は頷きゆっくり抱き合った腕をとき立ち上がった…。
テーブルの上に先程置いたアルバムとカメラに手を伸ばし再び胸に抱えた。
私は…前を歩く宗大が差し出した手を握りお父様が眠るベッドの横を静かに通りすぎ病室を後にした。
彼の車に乗り込んだ私は…先程のアルバムを再び膝の上に置いた。
「父にあってくれてどうもありがとう。」
運転しながら宗大がお礼を言われて首を横に振る。
「私の方こそ…お父様に会わせてくれてありがとう。
お父様にもよろしく伝えてね。」
膝の上に置いたアルバムと使い捨てのカメラを見下ろした。
次の信号を曲がれば…もうすぐ私の住むマンションが見えてくる…。
私は…何か話さなきゃと言葉を探したけど見つからなかった。
やがて…信号が赤に写り変わり彼の車は…横断歩道の停止線前で停車した。
「もうすぐだね…。」

