殺那、風から顔を背ける。 特別棟の窓辺に佇む人影と目が合う。 ……特別棟に人……? ずいぶんと珍しいな…… すっと目を反らし、もう一度林に目を向けた。 死ぬ事への好奇心からか、自然と歩幅が少し大きくなる。 しかし、ようやく目当ての杉の木が見えてきたところで重要な事を思いだす。 ……ロープ…… あろうことか、死ぬのに必要なロープを買ってくるのを忘れていた。