アンデロス星人

 トーノはクップの制止を振り切り、地上に足を置く。

「ぷわっ!」

 トーノは空気をおもいっきり吸って吐いた。

 クップは円盤から恐る恐る外を眺めた。

「何もないな?」

「ああ、川が流れているくらいかな」

「それに足元は草だらけじゃないか」

「ここには知的生命体はいない」

 クップも円盤から出て、周囲を見渡した。

「そうだ、いつ知的生命体に遭遇してもいいように、翻訳機を作動しておこう」

 トーノは左手首にはめてあるバンドにあるスイッチを押した。