アンデロス星人

 一人だけ、止まっている中学生を発見した。森山寿夫は郵便ポストの前で手紙を持って突っ立っていた。

「わあっ!」

 クップは森山がよけると思ったので、接触してしまった。

「いてっ! よそ見するなよ!」

 と、森山に痛みはなかったが、つい声を上げてしまった。

「ごめん、ごめん……」

 クップはすぐに謝った。

「鼻が長くて天狗みたいで、自慢かよ、おじん!」

「おじん? 別に……自慢って」

 クップが理解不能状態で、固まっていると、森山は走って行ってしまった。