「センセェーッ!松野センセェー!」

入学式が終わり、みんなが帰り始めると、たまたま近くにいた松野先生を大昂が呼び止めた。

「どうしたの、皇地くん?」

「ねー、このクラス学年首位みんな集まってんじゃんー。普通バラバラにすることねー?」

「んー、くじ引きだからなんとも・・・」

「「「「「くじ引き?」」」」」

5人が顔を見合わせる。

「・・・あははっ」

「すっげーな!俺らのくじ運!」

「あー、普通にクラス決めてたら絶対ばらばらになってたぞ!」

大昂と咲太が肩を組んだ。

「・・・ホントすごいですね」

珍しく惣介が少し嬉しそうな顔を見せた。

「僕、うれしいよ」

伊乃がにっこり笑って言った。

「惣介に、咲太に、大昂に、玲男に会えてよかった!初めてなんだ、こんなに楽しいの!」

伊乃の言葉に、思わずみんなも笑顔になった。

玲男が伊乃の背中をポンとたたいた。

「そんなの、オレだって一緒だっつーの!」

「よっしゃ!俺らの伝説はこっからだー!!!」

「何の伝説だよ、大昂!」

笑いあう5人を見て、松野先生が驚いて言った。

「・・・ねぇ、君達、今日初めて会ったんだよね?中学が一緒だった神村くんと皇地くん以外・・・」

「え、そうっすけど。」

へぇ、と松野先生がまたびっくりした顔をする。

「すごいね、出会ったその日にこんなに仲良くなるコ初めて見たよ。」

惣介がまた、嬉しそうに笑った。

「・・・僕もこんな友達が出来ると思ってませんでした。」