アオゾラ日和

「こんちわー！誠さんいるー？」

咲太が元気よく店に入った。

それに続いて４人も店に入る。

「あ、咲太。久しぶりだな。」

店の奥から優しそうな笑顔を浮かべた明るい髪色のかっこいい男の人が出てきた。

「そういえば、今日は咲太の学校入学式だったな。もうこんなに友達ができたのか。」

「おー！んじゃ自己紹介でもすっかぁー！」

咲太はそう言って『特等席』に向かっていった。

そこは唯一の個室になっていて、豪華な調度品などが置かれている、とてもきれいな部屋だった。

「えーと、この人はカフェのオーナーの竹巳誠（たけみまこと）さん！」

「よろしくねー。」

笑顔がふわっとしている。

誠さんへの自己紹介が終わると、「ごゆっくり」と言って誠さんは部屋を出て行った。

「なぁ、この部屋ってなんでこんな豪華なんだ？しかも咲太の特等席て･･･」

玲男が不思議そうに聞いた。

「うん。ここは、父さんに頼んで、特別に造ってもらったんだー。」

さらっとすごい事言ったな。

「えと･･･咲太のお父さんって一体･･･」

伊乃も気になって聞いてみる。

スイーツのメニューに夢中になっていた大昂が咲太より先に答える。

「咲太のおとーさんは、神村グループの社長さんだよね♪」

「神村グループ？」

どこかで聞いたことあるような･･･、と玲男と伊乃が顔を見合わせる。

「おー！電化製品にコスメ・ファッション、ショッピングモール、ホテル、芸能事務所とかもやってるよ！」

「すっげぇぇーーー！」