私が、可愛くないばっかりに。

「はは...っ」

思わず笑いがこぼれた。

笑えることなんて、何1つないのに。

たまに喧嘩することもあった。

でも、次の日には必ず来てくれたんだ。

玉木が悪くなくても、謝って。

私を優しく抱き締めてくれたんだ。

だから、いつの間にか甘えてしまった。

玉木の優しさに。

その優しさは、もうない。

ただ、前に戻るだけ。

玉木と出会っていない、あの頃に戻るだけ。

大丈夫。

きっとすぐに慣れる。

「っ..」

はずなのに。

どうして泣いてるんだろう。