*愛梨side


「瞬、はいコレお弁当。」


「おうっ♪さんきゅ!


今日、俺朝から仕事やからさ


夜いらんねん~


ごめんな?んじゃ、


行ってくる(`∇´ゞ」


バタバタ


ガチャン!


「………。」


ズキンッ


何や、ズキンて。


元から相手になんか


されてへんやん??


こんなん全然ツラないしっ


つーか、むしろ攻略の


しがいがあるわ(^^)


でも、さ。


「やっぱり、悲しいよ…


ウッ…ヒック…グスッ…。


ごんなん、無視されだ


方がましやぁ、グズッ…」


あかん、泣きたい訳や


無いのに。


瞬は、うちが瞬の演技を


見破れんのを知ってる…


やから今、それをうちに


するて事は…


「素がいい」て言うたうちに、

演技するて事は…


「嫌いになってくれ」て


言うてるもんやもん!!


それか、うちを他の女子


と同じように遊びでなら


付き合ったるよ。て事…


こんなん、苦しすぎるやん。


うちにはさ…


『素』を見せてくれるから、


理由が兄姉だからでも


他より『特別』や、ていう


想いがあったんよ??


瞬は分かっててその想いを


断ち切ってるよな…


それを考えるだけで、


うちは胸がキュウて苦しく


なるんよ?


「あー、やめよ。


こんな事考えててもしゃーない」


気がついたら涙も


止まってるし。


「もう学校行かな…」


うー行きたない…。


「あーもう、行くで愛梨っ」


自分に活を入れる。


ドアを開けると、


うちの心を現したような


空色だった。


雨か…


「…瞬のアホ」


そう呟く自分が


虚しいと思った。




「なに、あんた。


朝あった事が容易に分かる


顔してんね」


相変わらず突っ込みキツいなー

「笑顔出来てない?」


「いや、笑顔だからこそ


分かりやすいて言ってんの。」

どういう事だ、華奈


「あんた、空の色と


比例してる表情やで?」


「あ、華奈その下り


もう終わった」


「は、何の話?」


「何にもないー。


あ~気分が重い」


「あ、気分は関係無く


ちゃんとノートは取ってよ?


華奈が後で借りるんやから」

「はいよ」


はぁ~。