お姫様は王子様を演じてる





「……黙っててやる」



「えっ……?」



澪の口から予想外の言葉が出たせいで、びっくりして涙が止まる。



「勘違いすんなよ…
お前の為とかじゃない。
そんなにすぐこの学校から逃げられたらつまんねーしな」



澪はようやく私の上から体を動かした。



「……澪がばらさないなら逃げない。
私には夢があるから」



私は自由になった体を使って澪から離れながら言った。



「じゃあ、一年せいぜい俺を楽しませてくれよ…」



澪は口の端を少しあげて言う。



「きっと黙ってたことを後悔させてあげる。
澪が私に何をしたって心だけは壊せないよ」



宣戦布告とも言える私の言葉を聞いて澪は冷たく微笑んだ。