「……い…やっ…っ」
必死の抵抗も虚しく、キスはさらに深みをまそうとしていた。
歯を食いしばって澪の舌を防ぐ私の唇を軽く澪が噛んむ。
「い…った…」
するどい痛みに思わず漏れた声。
それを見計らったように澪の生暖かい舌が口の中に滑りこんでくる。
私の舌を絡めとるように動くそれは…
……呼吸すらうまくさせてくれない。
苦しくなる息や、荒くなる呼吸に悔しさが募って涙がボロボロとこぼれ落ちた。
澪はそんな私を見てからゆっくりと顔を離す。
「……下手くそ」
ニヤリと笑って呟く。
私は澪を睨みつけながら血の味がする唇を手の甲で強く拭った。

