それから私達は協力しあって悲しみを乗り越えた。 幼い私が無性に母さんに会いたくなると父さんは母さんが出た映画やドラマを私に見せて。 父さんが母さんに会いたい時は声の似た私が母さんの真似をする。 目を閉じて私の声だけを聞いて母さんを思い出す父さんはいつも幸せそうで… それでいて寂しそうだった。 愛する人を失うってことは自分の心の一部がなくなってしまう感じ。 埋めたくても埋まらない深い穴が空いて、時折心の全てを飲み込んでしまう。 …―――そんな気持ちあなたは経験があるの?