「お母さんに似てるなんて嬉しいです」
少し照れて髪をくしゃくしゃとやる私をおじさんは懐かしそうに見つめる。
「その仕種は岬ちゃんもよくやってたなぁ…」
その瞳は少し潤んでいて、昔を思い出しているようだった。
おじさんはもう四十代も半ばなのに見た目はまだまだ二十代に見える。
黒髪に幼い顔立ちが頼りない印象を人に与えて理事長としては威厳がない。
ただ一旦キレると昔から手に負えないらしい…
学生時代は暴れだしたおじさんを止めるのはお母さんの一言だったみたいだ。
『克也、いい加減にしろ』
その言葉にピタッと暴れるのをやめるといつものふにゃっとした優しいおじさんに戻る。
年をとってかなり丸くなったらしいけど…
お母さんがいない今、キレたら誰が止めるんだろう…

