お姫様は王子様を演じてる




「行った…?」



ヒソヒソ声で喋る理事長。


「うん、行きましたよ」



「まこちゃん、久しぶりー!!
おじさん会いたかったよ。こんなに可愛くなっちゃって…」




……そう、ここの理事長は父さん旧友。



つまり私とも何度も面識がある。



「ご無沙汰してます。
克也おじさんが元気そうで良かった」



私が笑うとおじさんも目尻を下げて嬉しそうに微笑む。



「まこちゃん男子校なんて来ちゃって大丈夫?
困ったらすぐに僕に言いなさい。
お父さんから事情は聞いてるけど、無茶は駄目だよ」


おじさんは息子しかいないらしいから女の子の私には昔から甘い。



「大丈夫ですよ。
だってほら男の子に見えるでしょう…?」



私が声色を変えてクルリとターンして見せると、おじさんは目を細めて言った。


「まこちゃんは、岬ちゃんにそっくりだね。
昔を思い出すよ…」



岬ちゃんは私のお母さんの名前だ。



おじさんと父さんは学生時代お母さんを取り合った仲らしい。