彼女は、ぱちっと大きな二重の目を開けると。



キッと私を睨む。



何なんだこの人?



「…アンタさー、頭おかしいんじゃないの?」



「いや、何でですか…」



女の子は起き上がるとベットの横で仁王立ちをする。


「僕みたいに可愛い子が横で寝てたら、まず普通はキスしようとするでしょ?」



いえ、多分…普通はしませんけど…



「そこで、僕が目を覚ましてゲタゲタ笑うはずだったのに…」



悔しそうに下唇を軽く噛む。



「よく理解出来ないんですけど、一体何がしたかったんですか?」



「からかって追い出したかったんだよっ!!
あんたみたいなタイプが寮にいるなんて目障り!!」


寝ぼけて頭が上手く回らないけど…この子さっきからちょいちょい僕って言ってない?



「貴方…もしかして、男?」



「もしかしなくても、男だから!!」