あれこれと文句ばかり言い合う男共に苛々が抑え切れなくなり、怒鳴りつけようとした私の耳に低い声が届く。
「……餌はちゃんと撒いたんだろーな?」
声の主はそう言ってけだるそうに欠伸をすると視線をみんなへと泳がす。
「うん、完璧ー」
「まぁ、上出来ってとこかな…」
「当たり前だ!!」
私以外のみんなは口々に澪に返事をした。
「あのー、餌って何ですか?」
気の抜けた私の声が室内に響いて、一斉に視線が私の方へと集中する。
“餌”なんて言葉は私は今日初めて耳にしたから…
一応、無理矢理とはいえこの合コンに参加させられたんだから聞いたっていいよね?
―――だけど…
「……お前は黙ってろ」
澪は私と視線すら合わせず冷たく言い放つ。
私は何とも言えない疎外感を感じて口をつぐんだ。

