お姫様は王子様を演じてる




アドレス交換はスムーズに終わり、和やかなムードが流れる中…彼女は形のいい唇をゆっくりと開いた。



「あの…あと…これからは真琴って呼んでもいい?」


「いいよ、僕も春菜って呼ぶね」



「うん!」



彼女の声は自然と弾んでいて喜んでいるのが目に見えて分かった。



けど、それは彼女が私を男だと思っている、という前提の上でのことであって女だって分かったら変わってしまうのかも……



それにどんなに仲良くなっても父さんとの賭けがある限り、私は彼女に事実を言うことは出来ない。



それならやっぱり適度な距離で接することが一番だよね。



こうやって垣根無く接してくれる友達に憧れていたけど…結局これ以上深くは付き合えない。



そう考えると悲しくて胸の奥がぐっと締め付けられるように苦しくなった。