お姫様は王子様を演じてる



あんな狂暴そうな、“俺に近付くな”状態の澪を見ても何も感じないらしいから彼女達はたいしたもんだ。


うん、尊敬するよ。



それから、とりあえずと言うように澪に続いてみんながソファーに座る。



私も慌てて近くのソファーに腰掛けた。



「……こんにちは」



横から声が聞こえて、そちらに目をやると小柄な色白の女の子が座っている。



黒に目がいきすぎて、少し離れた所に座っていた白を見逃していた…



真っ白な肌に映える黒の長めの髪、日本人形みたいに整った顔立ち。



なかなか普通には、出会えないレベルの美人さんだ。


「こんにちはっ」



私は挨拶を笑顔で返しながら、『良かった、この子なら黒いギャルチームよりは話しやすそう』なんて彼女の外見と弱々しい声から、安易にそう推測していた。