私の可哀相な子を見る視線にも気づかず、悠斗は話しを続ける。
「まず、僕は聖蘭女子に金づるがいるから合コンをするって言ったよね?」
「はい」
言ってましたね…
しかも恍惚とした顔で。
「金づるは勿論だけど、もっと奴らに取り入らなきゃならない」
「……悠斗なら大丈夫でしょう?」
見た目だけならかなり愛くるしいし、悔しいけど女の私より全然可愛いもん。
「まぁ、僕の可愛さは世界一だと思うよ…?
けどやっぱり手駒は多いほうがいい。
真琴はあの澪に気に入られてるくらいだから、女なんてちょろいはずだよ」
“澪に気に入られてる”第三者から見るとそんな風に見えるのか…
どちらかと言えば澪に虐められてるだと思うけど。
「けど…僕は、誰かと付き合ったりする気はないですよ」
「いいの、いいの。
付き合うとかじゃないから連絡先は絶対交換してきてくれる?
―――これは命令だから」
悠斗の声色が少し変わって琥珀色の瞳が怪しげに揺れる。
―――まさか…ただの合コンじゃないの?

