お姫様は王子様を演じてる




◆◆◆



特進クラスについて、適当な席にイライラしながら座った。



辺りを見渡しても、澪とケイはいない。



二人ともサボりかな…
まぁ、来なくてもいいんだろうけど。



「やっと見つけたっ!」



嬉しそうな声のほうに目を向けると、悠斗が笑顔で私を見てる。



私がまだ悠斗のことを何も知らなかったら、この笑顔に騙されて顔を赤く染めたりしちゃってたかも…



……残念ながら、今はただ背筋が寒くなる。



「何かありました?」



「大ありー。
真琴、今週の日曜日空けといてよ」



「日曜日はちょっと…」



「“嫌だ”とは言わせないよ…何でもするって言ったじゃん」



悠斗は笑顔をまったく崩さずに、声だけを低くした。


目が全然笑ってなくて、すごく怖い。
悠斗の後ろに『オラオラ、言うこと聞けよ、あぁん?』って文字が見える。