昔からそこそこ喋る友達はいても仲間って言われたことはなかった。
父さんは有名ホテルのオーナーで亡くなった母さんは有名女優。
私の存在はいつもおまけみたいなもので…
何かを一緒にやり遂げたり目指したりするのを、本当はすごく憧れてた。
けどいつも何かしら特別待遇をされて、同じことをやらせてもらえない。
『上野さんはいいから』
何度聞いた言葉だろう。
その度に諦めて、みんなの期待に応えるいいお嬢様を演じてた…
けどここならいいのかな。普通の私でいても…
精一杯気持ちを込めてケイにお礼を言った。
「……ケイ、ありがとう」
私が感動に震えながら、ありがとうを言っているのに…何故かケイの視線は私を越えて前を見ている。
ん?どうした?
何見てるの?
そわそわとした様子のケイ。
「じゃあ、俺急用があるから後でなっ」
そう言ったかと思えば、ケイは前を歩いていたミニスカートの保健医さんのお尻を追っかけて去っていった。
えっ…何、まさか急用ってあのプリケツの保健医を追いかけること?
仲間だから私もついていくべき…?
いやいや、違うだろ。
ケイには、とりあえず感動を返してほしい。

