お姫様は王子様を演じてる




あそこで私が、飛び降りなきゃもっとひどいめに合わせてたくせに…



そう考えると自然に眉が寄ってしまう。



「平気だけど…」



素っ気なく私が答えると、澪は視線をスイと反らす。


「……ならいい」



澪は、それだけ言って教室とは逆の方向に歩いて行った。



変な奴……
ひどいめに合わせようとしたわりには、心配したり。


そんなことを思いながら澪の後ろ姿を見ていると、なぜか頭にズシッと重みを感じた。



「真琴っ、何やってんの?」



上から振ってくるお気楽な声。



「……ケイ。
僕の頭に顎を乗っけないでください…」



「だって、ボーッと突っ立ってるからさ。
乗っけたくなるだろ」



「意味がわかりません」



ゲラゲラ笑いながら私から顎をどけるケイ。



「お前ちっさいなー。
ちゃんと飯食えよ。
そんな身長じゃ、モテねーよ」



「余計なお世話です」



モテたいなんて思ってない、身長は伸ばしたいけど。