桜農業高校に入学してから半年がたった。

『夢〜、その後彼氏とはどうなったんだよ。』


心配そうな顔をしながら話をしてきたのは入学したとき隣の席だった後藤みずさだ。

『……別れたよ。』

そう言うとみずさはやっぱり言う顔で私をみてきた。

『別れて正解だよ!あんなやつ!酷すぎるもん!』


『そうだね…。ありがとね、みずさ。』


私が前まで付き合っていた彼氏は同じ中学だった人で携帯を持っていなくパソコンでのやり取りだった。

しかし、いざメールしてみると
【ゲームで忙しいからむり。】
そして遊びに行こうと言うと
【外暑いからめんどくさい。】と言う感じだった。

遊びに行ったのも2回。

正直言うと好きかどうかもわからなかった。

『で?どうするの?』

『へ?』

いきなりみずさが意味わからないことを言い出すからマヌケ声が教室に響いた。

『何が「へ?」よ!宮本君だよ!1組の宮本大樹君!』

何を言っているかわからなかった。

『誰それ?』

私がそう聞くとみずさはあきれた顔でこちらを見てきた。

『あのね〜、あんた前も言ったでしょ!?宮本君はずっとあんたのこと好きだって!!もし告白してきたらどうすんの?』

そんなことすこしも考えてなかった。

『んなこといわれても。わかんないし〜。』

わたしは笑いながらいった。

『とりあえずちゃんと考えとくんだよ?』

『へいへいー。』

軽く返事を返すとみずさははやあしで席に戻っていった。