恋愛季節




「おーい、そこうるさいぞ」

「すみません…」


はぁー……

先生に怒られた。
最悪。


――放課後、あたし達は帰りの支度を始める。



「また明日ね、麗美♪」

「ばいばい」


亜美奈、さっきトイレでメイク張り切ってたからケバい。
合コン、そんなに楽しみか。



「篠田」


振り返るとそこには高橋の姿。


「高橋」

「まだいたんだ?」

「まあね。高橋は?」

「忘れ物」


自分の机の中をガサゴソと漁る高橋。

………何探してんの?



「げーんくーん!あったー?」


窓から覗くと、そこには小さな体からめいいっぱい大きな声を出そうと頑張ってる子。

……高橋の彼女だ。



「あった!」


高橋が手にしているものは、小さなキーホルダー。

すぐさま窓際に向かってきて、


「あったよ、杏(あんず)!」

「よかったぁーー!」


真っ赤な顔で白い息を出す杏ちゃん。

……本当、かわいい。


「今から行くから!」

「うん!……麗美ちゃん?」


隣にいるあたしに気づいたのか、杏ちゃんは、あたしに手を振る。

あたしも振り返す。