「は?じゃねぇだろ。好きだったやつに告白されたろ?」
スキナヤツ?
コクハク?
「何のこと?」
勘違いしてんの?
「俺、2人はいつか付き合うと思ってたんだよな。おめでとう!お似合いだよ」
いつもより明るく話しかけてくる。
満面の、崩れない笑顔。
………ばか。ばか。ばか。
「ばか!私が好きなのは、健介だよ!ばか〜!」
私は咄嗟にその場を逃げるように走った。
「はぁ……はぁ……」
苦しい。息が上がる。
でも、それ以上に、胸が痛い。
涙が出てくる。
知らない町で、私はただただ走る。
どこに行けばいいんだろう?
知ってる所なんかない。
「待てよ!」
振り返ると健介が走ってくる。
私は追いつかれないように必死に走る。
「あ……!」
ズサッと、地面に叩きつけられるように転ぶ。
「いった……」
「大丈夫かよ!?」
顔を上げると、健介がいる。

