恋愛季節




……私ったら、何てこと思ったんだろ。


はぁー……


なんか、今日は学校に行く気分じゃないかも。

…初めて、サボってみようかな。



「じゃあ」

「うん」



M高行きの電車に乗る恭介くん。

本来なら、私もあれに乗るんだけど、今日は正反対の電車に乗ってみる。



どこいこうかな〜……

あ!


健介の中学校に行ってみよう♪

確か、この駅の一個前に乗るらしいから……



なんか、わくわくする。

ウキウキ気分に早変わりして、電車に乗る。



「……ここかあ」

「あれ?豊川?」

「……田中君!」



着いてそうそう、中学の同級生に遭遇。


「久しぶりー」

「なー!あれ?お前の学校こっちじゃなくね?」

「うん。今日はサボってみようかなって」

「豊川でもサボるんだな!」



中学の頃は、勉強ばっかに専念してた真面目な私。

田中君にゲラゲラと笑われる。


なんか頭ポンポンされてるし。

バカにしてるよね……!?




「おい」


私の頭を触っていた田中君の手を掴んだのは、健介。


「何してんだよ」

「は?」

「健介?」



もしかして……



「ナンパなんか朝からしてんなよ」



やっぱりー!

健介、違うよ


そう言おうとする前に、田中君が



「いや、知り合いだから。中学の。な?」

「う、うん」

「……すみませんでした。」



一気に青ざめた顔になって、田中君に頭を下げる。



「いや、大丈夫、じゃな豊川」

「うん」



田中君はまたゲラゲラ笑いながら、去っていった。