恋愛季節




「これ…」


昨日の飴玉の袋。

……今、見ると苦しい。

健介の顔も、見たくない。


はぁ……足が重い。

ホームに向かうと、ベンチに座っている人が数人。

その中に――……



「嘘でしょ?」

「…やっときた。」



なんで……




恭介くんがいるの?




「待ってたんだ。話があるんだけど…いい?」


コクリと頷く。

わざわざこの駅で待っててくれたのかな……?



「……俺、優姫ちゃんの」


え!?

うそ……

まさか、こくはっ……



「友達の子ずっと好きだったんだ。紹介してくれないかな?」

「………へ?」



亜希のこと?

確かに亜希はモテるけど、他校の人にもモテるんだー……



「優姫?」

「あ、う、うん!いいよ!メアド、教えとく!」



すると恭介くんは安堵の表情を浮かべて


「よかった〜」


と言った。