恋愛季節




「笑うなよ〜」

「ごめんて」


〜♪〜♪〜


「あ…」


亜希からメールだ!!


内容を確認してると、


「……あのさ」

「ん?」

「番号、交換しない?」

「うん…」



赤外線でケータイをくっつける。


「お互いスマホじゃなくてよかったね」

「な」


スマホは赤外線ができないって聞いたことがある。


「………ねぇ」

「んぁ?」

「健介、彼女いないの?」


一瞬ピタッと動きが止まってから、ニヤリと笑った。


「いない。…でも好きな女はいる」

「そ」

「優姫は?」



不意に優姫と呼ばれてドキッとする。



「……いない。でも好きな男はいる。」

「真似すんなよ〜」



好きな男は……健介だよ。


私…今胸が張り裂けそうなくらい痛いよ。

恭介くんとは比べ物にならないくらい。

苦しい


「じゃあ、ね」

「あぁ」


電車を降りて扉の向こうにいる健介を見る。

………嬉しそうな顔でケータイいじっちゃって。

好きな子とメールでもしてるの?


嫉妬して、私、バカみたい―――――