「ありがとな。豊川。お礼だ」
渡されたのはかわいい袋で包まれてる飴玉2つ。
「ありがとうございます!」
やった♪
頑張った甲斐あったな。
帰る時間がいつもより大分遅い。
ホームで電車を待ちながら暗い空を見上げる。
「あ……」
電車きた。
比較的席は空いてる。
私ははじっこの席に座る。
「あ」
「……あ」
け、健介……
次の駅に停車して、健介が乗ってきた。
「今日はよく会うね」
「な」
……なんとなく変な空気。
グゥー
「……あははっ!!」
「笑うな!腹減ってんだよ!」
鳴ったのは健介のお腹。
「部活?」
「まぁな。」
「何部?」
「軽音」
「え!!」
めちゃくちゃ意外!
「お前今、めちゃくちゃ意外とか思ったろ?」
「う、うん…楽器は?」
「こーみえてもギター」
「え!」
またまた意外!
ドラムとかっぽいし。
「学祭ライブとかやったんだぜ」
「見てみたかったな〜」
「なら……」
グゥー
「………ぶっ」
もう。
面白すぎ。
「あ!!そうだ!飴あるんだ!」
「まじ?」
ピンクと黄色の飴を手のひらにのせる。
「どっちがいい?」
「黄色」
ひょいと取って、口に入れる。
「うわ…レモンだ」
「私イチゴ」
「いーなー…パイナップル味かと思ったんだけど…」
パイナップル!
また笑いそうになる。

