恋愛季節




「なんか俺ら、場違いだな」

「そうだね」

「あ、恭ちゃん、先帰ってて!!」

「おー」

「優姫も!!」

「うん」


恭ちゃん…って、なんか親しげな呼び方だな。


「優姫は電車どっち?」

「あ…こっち」


いつも乗る電車のホームを指差す。


「俺もだよ!!会ってたかもね」

「そうだね」


……言えない。

いつも恭介君を見てるなんて。


「さっきの」

「ん?」


私は思いきって聞くことにした。


「さっきのマネージャーさん、恭介君の彼女?」


言ったぁーーー!

頑張ったよ私!!



「なわけないじゃん!ただの幼なじみ」

「そうなんだ」

「優姫の友達と、沙弥は知り合いだったんだな」

「ねー」


よ、よかったあぁー……



「それに俺、好きな子いるしね」


えっ……


「そ、そうなんだ。同じ学校の子?」

「………内緒」


その子のことを思い出したのか、幸せそうな顔をして笑った。


ズキン


恭介君に想われている子が羨ましい。