ガタン ガタン


休日は、いつもより空いてて、私は近くの座席に座った。


彼がいつも降りる場所で降りる。

ほんの少しでも近くに感じて、嬉しい。



駅から徒歩10分だと聞いたことある。
山本君にもらった地図を見ながら歩く。


「あ……」


M高校の制服を着た女子が私の前を通りすぎる。

私は密かにその子の後を追う。


地図じゃ心配だし。



………着いた。

あの人が通ってる、高校に。


ゆっくりと足を踏み入れていく。



「豊川!」

「山本君っ」


初めて知り合いに会えて、ホッとした。


「来てくれてありがとう。こっち」


私は山本君の後をついていく。


「勇司!」


勇司?だれ?

隣を見ると山本君がおっきい声で


「お〜!!」


っと言った。

山本勇司って言うんだ。
知らなかった……