黙り続ける良太郎。
「なんかっ、…言ってよ」
「ヒヨリ」
「え……」
あたしは良太郎に包まれていた。
顔を上げると、本の少し照れたような顔。
「お前……俺のこと好きなの?」
「………うん。あたし、良太郎が好き。」
い、言った!!
あたし、もうフラれる覚悟はできてる。
いや、本当はやだけど。
さぁ来い!
「…俺も。」
「えっ?」
「好きだ。小さい頃から、ずっとヒヨリが。」
思いもよらぬ返答に戸惑う。
「か、彼女は?」
「彼女?…そんなんいねぇよ。お前にヤキモチやいてほしくて嘘ついた」
…………
「良太郎の、ばかぁー」
そう言って良太郎にギュッと抱きついた。
「うわっ」
驚く良太郎。
……あれ?
良太郎、すごい胸がばくばくしてる。
聞こえてくる音。
あたしとおんなじ――

