恋愛季節




「はぁ……はぁ…」



全力疾走で学校内を走り回る。

たどり着いたのは、屋上。


「ここまできたらもう…」

「もう…?なんだよ」

「ひっ!!」



後ろには息を整えている良太郎が。


「お前、なんかあったの?」

「………」


あたしが黙っていると、良太郎は優しくあたしの名を呼んだ。


「ヒヨリ…?」


もうこらえきれない。

あたしは良太郎の前で泣いてしまった。



「ふぇー……」

「えっ!?」


滅多に泣かないあたしの涙に驚く良太郎。


「りょお、たろ…っの、彼女みた」

「は?」



良太郎……あたしの気持ちに気づいてよ。



「あたし……やだ。ひっく、良太郎に彼女がいるの…やだよぉ」



自分勝手過ぎるよね。

呆れちゃった?

……良太郎、あたしのことどう思ってる?