恋愛季節




ウソだよ…なんで


なんであたし、こんな気持ちになるの?

もしかして……


壁に飾ってある大きな鏡に写るあたし。

真っ赤な顔。



………好きなんだ。

良太郎が、好き―――



「絢…!」

「ん?」


教室に戻って絢をトイレに連れ出す。


「…あたし、良太郎が好きみたい。」


絢は、特に大きなリアクションはせず、へぇーと頷いた。


「え!?それだけ!?」

「それだけも何も、そうかなって思ってたもん」



絢は鋭かったな……。



「でも、彼女がいるんだって…」

「まじ?…今日、笠松塾あるの?」

「あると思う」



絢はニヤリと何かを企むように笑った。


「今日、見に行くよ」


え、えぇ〜〜!?