抱き締められる視線の先には、たった1つのピンクの花。

まだ、散ってなくてよかった。



「……先輩、見て。桜…」


「ホントだ」



ベッドに2人、腰かけて桜をみる。


不意に目があって、お互いに笑う。



「キス、してもいい?」



何も言わずにするのかと思ったら、意外にちゃんと聞いてくるんだ。



「もちろんです」



先輩とのキスは、すごくすごく、甘かった――……