ギュ、とスカートの裾を握りしめる。


すると、わたしの目の前には白いものに包まれた。



「…先輩」

「俺、今めっちゃうれしい」

「え?」



強く抱き締められてて、顔が上がらない。



「……助けた相手が俺だって、知ってたんだ?」

「あ、はい!」

「…俺も。吉沢さんがあの子だって知ってた」



そんな。

覚えててくれたの?



「忘れるわけないよ。…好きになった子のことなんか」



好きになった子?って、わたし?




「嘘だぁ…」

「嘘じゃないよ。…吉沢さんにキライって言われて、結構傷ついたんだよ?」



う゛っ……