「あ、さっきグラウンドみてたよね?」 気づいてたんだ。 「はい」 「やっぱり!手振ったんだけど、気づいた?」 ……ウソつき。 春子先輩っていう人に振ったくせに。 「……吉沢さんっ!?」 先輩、何で慌ててるの? 視界がぼやける。 あ……わたし、泣いてる。 涙が止まらない。 「先輩なんか…キライ」 わたしは校門まで走った。 普段あまり走らないから、息が切れる。 「はぁ、はぁ……」 先輩、お幸せに……