小さな私の中に


私としたことが

隣の席の男の子に
マフラーを返すことなんて簡単なのに

すっかり忘れてた!


そして無我夢中に家へ帰る方向から
学校への方向に体を向けて

走った

走った走った走った!



学校の玄関のドアを勢いよく開けて
履きなれていない上靴を
急いで履いて

階段を駆け上り

自分の教室に向かった


ガラガラガラッ


ドアを開けるとそこには
もう誰もいなかった。


「ハァ・・・ハァ・・・いるわけないかっ・・・」


そうだよ。別に明日返したって良いじゃない
何焦ってるんだろう自分

そう思うと自分がバカバカしく感じた


とっとと帰ろう
そう思ったときだった


カキーン


外から音がした

窓が空いているせいか
とても良く聞こえた


私は窓から外を覗いた