海の花は雪

「…いえ…そろそろここ、閉まるから…」

淡々と深谷君が説明した。

気づけば食堂に人はなく、自分達が最後のお客になていった。

学食のおばちゃんに食器を渡すと、自分達は夏の日差しがまぶしい中庭へ出た。




海風にのって潮の香りがする…
校舎の向うから海の気配を感じると、懐かしい気分がした…

「…正直、ルドを探すのは、手っ取り早い、良い案だと思う…」

深谷君が中庭の石のベンチに腰かけると、そう言った。

石のテーブルをはさんで、自分と深谷君は山形さんの反応を待った。

木影の下とはいえ、外は蒸し暑く脳みそが溶けてしまいそうだ…

「ルドか〜そうだよね〜魔法士のトップ…三本柱の一人だもんね〜僕もぜひ会いたいよ。全ての事情に通じていたのは、あの人だからね〜…」

もうろうとした頭の中で、ふとある事に気づいた。

「あの〜山形さんはそう言えば、どうして自分の記憶以外の事を知っているんですか?」