海の花は雪

「…それは本当ですか?」

「ああ、滅びたのは本当だよ…断片的に夢で見たからね」

悲しげに顔を中庭に向けると、山形さんは遠くを見つめた。

「…それでフレイヤースの人間は、どうなったんですか?」

深谷君は核心部分を、迷いなく口にした。

「…地上へ…生きる場所を移す事で生きのびたよ…海底の王国は捨てたんだ」

「…なんで?」

「住めなくなったんだよ…封印が解けて…邪気で海は…海底は汚れたんだ」

「…」

「そんな…」

思わず、呟いていた…

海底の王国は、あの本に書かれている話の後、滅んでしまったなんて…

自分は訳も分からず涙腺がゆるんで、涙がこぼれそうになった…

「…僕も全部の事を夢で見た訳じゃないから、全ては語れないけど…というか、今日ここに来たのは、君達から話を聞けると思ったからなんだ」

パッと暗い顔から一変して、山形さんは再び元の明るさを取り戻した。