海の花は雪

「…それはね、あの扉…書庫から海底の研究所に通じているあの扉はね、出て行った者しか戻る事が出来ないんだよ」

「…え?」

山形さんの言っている意味が分からず、自分と深谷君は目を見合わせた。

「えっとね〜つまり〜海底の研究所から双子水晶を使って地上に出た者だけが、自動的に扉を通る事が出来るんだよ…逆に言えば、海底の研究所から地上へ出た者でない者に扉は、ただの扉でしかないってゆ〜事…」

…ゆっくりと、山形さんの言っている内容が分かってきた。

だから海底の研究所から海をくぐって脱出した自分達には、次の日、海底に行く事が出来なかったのかぁ…

ん?あれ?でも…

「…でもさっきは、自分とハルは海底に行く事が出来ました…」

深谷君が、思慮深く言う…

「うん、僕が一緒だったからね〜」

「え?」

「本には書かなかったけど、双子水晶を使って移動した人間が一人でもいれば…というか、その人間の体にふれていれば、一緒に通る事が出来るんだよ」