海の花は雪

昼食を買って、なるべく人のいない、中庭に面した席を選ぶと腰を下ろした。

深谷君と自分が横に並び、山形さんが一人向かいの席に座った。

冷房はきいてなかったけど、木陰で冷やされた風が食堂の中に入ってきて、いい感じだ。



「…で、どこから話そうか?」

山形さんが美味しそうに、冷やしタヌキうどんを食べると、やっと口を開いた。

「…あの児童書は、いったい何なんですか?」

深谷君が、思いもしなかった切り口から質問をした。

深谷君は一人だけ、温かい蕎麦を涼しげに食べている…

ちなみに自分は、冷やしラーメンだ…

「え?あれはね、自分が夢の中で見た物を書いたんだよ〜」

…夢ぇ?!?

「それじゃ、あの物語はフィクションなんですか?」

「どうかな〜自分にも、どこまで本当か区別はつかないんだよ…要所要所は、想像で書いているからね〜…昔から良く断片的に見ていた物を、つなげて書いていたからね〜」