海の花は雪

「…校内に入りませんか?」

あきれた様子で深谷君は提案すると、先にドンドン歩き始めた。

「あ、そうだね〜ここは暑いや〜じゃあ早速、図書館へ案内してくれるかな〜?」

肩に置いた手はそのままに、山形さんは校内へ向かおうとした。

「あ、すみませんが、深谷君と先に行ってて下さい。自転車置いて来るんで…それからオレは、フレア姫じゃないですから…」

そう言って、その場を離れると自転車置場へ向かった。




なぜ自分がフレア姫だと思うのか、理由が聞きたくて急いで図書館へ行くと、先に行ったハズの深谷君と山形さんの姿は見当たらなかった。

中に入るとクーラーが良くきいていて、汗が引いていく…

「生島君、こんにちは〜最近良く顔出すわね〜」

司書の先生がカウンターの中から声をかけてきた。
白いシャツの上からオリーブ色のエプロンをしている。

司書の先生は三人いて、夏休みは交代で仕事をしているようだ。