海の花は雪

心底ホッとして、自分はその本を見た。

貸し出し出来るなら、最初から言って欲しい…

「修子ちゃん、悪いけど時間がないかも」

ハルは時計を見ると言った。

「あ〜そうでしたか〜ほほほ…では、研究所に戻ってからにしましょうかね〜」

開きかけた本を閉じると、先生は自分に笑いかけた。

「あ、高田さん、手伝いますよ」

山形さんとハルが手分けして、本を脇に抱えた。

「では、戻りましょうか〜」

先生は階段下のタイル細工がしてある床を見ると、自分に言った。

「あ〜深谷君、入口開けてもらえますか〜?」

自分は言われるがままに、この間、先生が地下6階へ行く時に使った隠し扉を、見よう見まねで操作していった…

もしかして先生は、人使いが荒いだけじゃなくて、意外に教え上手なのかもしれない…

そんな事を、笑顔で自分のする事を見ていてくれる、先生を横目で見ながら思った。




゙ピピッ・ピピッ・ピピッ…゙

…アラームの音が鳴り響いている…

この音を聞くと、脱力感を覚えるのはナゼだろう…