「ほほほ…イースに決まってるじゃありませんか〜」

朗らかに答えたのは、ルドその人…いや、戸川先生だ…

「は…ははは…」

山形さんは力なく笑うと、ごろりと床に転がった。

「ちょっと推進力に、問題があるようですね〜まぁ、試作の段階で一度も使用してない代物ですから、仕方ないですね〜」

ほほほ…と、とんでもない事を言った…

まぁ…実際、海の中を通って来るより、かなりの時間が短縮されたので良しとしよう…

「…しかし、驚きました…研究所と宮殿が、このような地下通路でつながっているとは…」

仰向けになったまま、動けない高田さんが小さな声で言った。

「…結局、このルートを使う機会はないまま、私達は地上に上がってしまいましたからね〜」

「先生!その辺の記憶、思い出したんですか?!」

先生の言葉に激しく反応した山形さんが、勢い良く起き上がった。

「ええ、少しですけどね〜」

「帰ったら詳しく教えて下さい!僕その辺、なかなか思い出せないんですよね」