海の花は雪

「…でも、これ完璧な呪文じゃないんですよね?」

「はい…完璧な呪文じゃないのに、魔法をかけてしまうとは、さすがです!」

「…山形さん…あなたは少々、うかつでした…地上に帰ったら、即刻呪文の訂正が必要ですね…」

「え?」

「私と同等…もしくは深谷君(ロイズ)レベルの魔法士でしたら、この間違った呪文も有効です…それは、とても危険な事だと思いませんか?山形さん…」

「…ですよね…そこまで思いつきませんでした…すみません…呪文は全く違う物に変えます…」

僕はその場にヘタリ込んだ…まるで、お父さんに怒られたみたいに、しおしおのぱ〜だ…

「…山形さん、そんなに落ち込まないで下さい…まさか魔法が本当に使えるなんて、誰も思わないですよ」

優しくフォローしてくれるハル君の背中に、天使の羽が見えた気がする…

「…でも、前世で魔法士だった人が生まれ変わっている可能性がゼロじゃない限り、呪文を試す子供がいたら…」

独り言のように、深谷少年が呟いた…