海の花は雪

深谷少年は深呼吸すると、目の前の白い壁を数回ノックした。

゙コン・コン・コン…゛

その音がその場に小さく反響したかと思うと、後ろの開いていた扉が閉まり、部屋と今いる空間とを遮断した。

その空間は不思議とほの明るく、白い壁が発光しているようだ…

そして臨時に出来た密閉空間の足元から、音もなく浸水が始まった…!

「うわぁ、キタキタッ!本当にキタ!!」

思わず、一番はしゃいでしまったのは僕だった。

「いや〜これはスゴイですね…本当に本に書いてある通りのシステムですね…」

戸川先生は科学者らしい視点から感想を述べると、高田さんが嬉しそうに答えた。

「本当に…ドキドキしますねぇ、戸川先生」

「ねぇ深谷君、あの時を思い出すね〜」

「うん…」

ハル君と深谷少年が初めて、この研究所に来た時の事を、しみじみと思い出しているようだ。