海の花は雪

「ほとんど使われてない感じですね〜」

僕は、辺りを見渡して呟いた。

日の当たらない場所にもかかわらず、草は生き生きと生え…人が踏み入れるのは久かたぶりらしく、侵入者を拒みまくっていた。

「子供の頃を思い出すな〜秘密基地とか作りませんでしたか?山形さん」

「やったやった♪先生は?」

「残念ながら、ありませんね〜」

「修子ちゃん、何して遊んでたの?」

「忘れましたね〜」



草をかき分け踏みしめると、はぁはぁと息が上がってくる…

汗だくになりながら、やっとの事でたどり着くと、大仕事を終えた達成感まで沸き起こってきた。

「到着!!」

想像以上に時間がかかったが、ほぼ同時にたどり着いたらしく、扉の向こうから鍵を開ける音がした。

「お待たせしました…」

ゆっくりとブルーの扉がこちら向きに開いて、高田さんが顔をのぞかせた。