「郁ー!なんで置いてくんだよ」
「女の子に睨まれるのはいやだからね~」
中学のとき同じようなことが毎度あったけど
女の子達は奏太といたいらしく
俺が奏太を呼んだら睨まれたもんだ、
損な役回りだぜ
外に出ると太陽の日射しが暑くて
雪も水に変わっていた
「駅まで競争しようぜ!」
「マジで言ってんの!?」
「マジだよ!マジ!!
俺先行くぞ!」
なんとなく無償に走りたかった
「おい、待てよ!」
靴が濡れるとか愚痴を言いながらも
奏太も追いかけてきた
これから起きることに期待しながら
駅までの真っ直ぐな道をひたすら走った