タイトルなしの物語



私、太陽に感謝しなきゃ…。


「私って病気なんですか?」


聴診器をしまっているお医者さんに聞いた。


「うーん…病気と言えば病気なんだけど…」


お医者さんは言いにくそう。


「過呼吸って何ですか?」


「そっか、知ってたんだね。…過呼吸はね、酸素を大量に吸いすぎて発作が起きるんだよ。朱莉ちゃんの場合、太陽くんがすぐに二酸化炭素を送ってくれたから大事にはいたらなかったけど…」


お医者さんはそこで一息おいた。


「もし、何もしなかったら本当に大変なことになっていたかもしれないんだ」


お医者さんはしっかりと私の目を見て言った。


「朱莉ちゃんだからちゃんと話しておくけど、これからは毎日、必ずポケットに紙袋を入れておいて。発作が出たと思ったらすぐに鼻と口を覆って、その中でできるだけゆっくり呼吸をして」


お医者さんはポケットから小さな紙袋を取り出して、「こんな風に」って鼻と口を覆って見せた。


「分かりました」


「あとね、発作が出たら必ず病院にきなさい。いいね?」


「はい」


私もお医者さんの目をしっかり見て返事をした。